酒井修一さん(パーパスジャパン社長)に聞く
「フランスという国は旅のテーマや、みどころが非常に多いですね。生活に密着したワインやグルメなどはもちろん、絵画や美術、建築などジャンルが他の国に比べて多いので、皆さん自分の趣味や目的に合わせて個人旅行をされるというのが、特徴的な旅のスタイルだと思います」
と語るのは、長年フランスのツアー旅行を手掛け、最近、書籍「理想の旅は自分でつくる!」を出版されたパーパスジャパン社長の酒井修一さん。フランスの旅の魅力について伺うと、趣味に合わせたフランス個人旅行の醍醐味を教えてくれました。
「例えば我々のお客様にはワイン好きの方が非常に多いので、人気のデスティネーションとしてボルドー、ブルゴーニュは鉄板コースとなっていますし、その後にシャンパーニュに行きたいというご要望もあって、シャンパーニュ地方ランスへ行かれる方も多いです。
また、体験型の旅行も人気があります。例えばフラワーアレンジメントなどを現地でやってみたいという方もいますし、とても面白かったのは、パリのパンコンテストで優勝したパン屋さんで、実際にパン作りを教えてもらうという方もいらっしゃいました。
その方はパン屋さんではないんですが、趣味でパン作りをしていらして、それを本場フランスで体験したいと。そうした希望がかなえられるのが面白い点ですね」
そもそも、酒井さんがフランスのツアーを作り始めたのは、ある本がきっかけだったとか。
「20年前に『南仏プロヴァンスの12か月』というイギリスの作家がプロヴァンスの1年間の生活を美しく表現した本を書かれたんです。
日本で出版されるのをきっかけに、出版社からプロヴァンスのデスティネーションPRとして一緒に何かできないか、と相談を受けまして、そこで初めてプロヴァンスのツアーを作ろう、という話になったんです。
それが私がフランスのツアーを作り始めるきっかけになりましたね」
酒井さんの経験から、フランス旅行を楽しむのコツを教えてもらいました。
「フランスの旅の良さというのは、それぞれのエリアにたくさんの見どころがかたまってあることです。ですから私のお勧めとしては都市都市を周遊するというよりは、その地方の中を回って存分に味わう方が、それぞれに個性的で多様なフランス文化を楽しめて、フランスの良さが確実に分かると思いますよ」
これからのおすすめ、注目のデスティネーションはあるのでしょうか。
「フランスの中でもまだまだ知られていない地方がたくさんあると思います。例えばリヨン近郊でスイスにも近い地域は、アヌシー湖もあるフランスの湖水地方とでもいうようなところですし、ナポレオンの生誕地であるコルシカ島も、まだまだ観光化されていなくて日本人が行かれていないという点でも、ねらい目のデスティネーションかと思います。
また、バスク地方というスペインとフランスの国境地域が、個人旅行で密かに人気が出始めています。バスク料理が注目されましたけれども、スペインバスクとフランスバスクを巡るツアーが、玄人の方に選ばれることが多くなっていますよ。
個人的には、テレビの撮影で行った、南仏コート・ダジュールのオーベルジュという小さな農家民宿に泊まった2日間というのが忘れられませんね。とにかくおいしい料理が安く食べられました」
フランスを知り尽くしたフランス通の酒井さんが勧める、フランスの個人旅行。
酒井さんの**著書「理想の旅は自分でつくる!」**も参考に、自分の趣味や好みにこだわった、特別な旅もおススメです。
聞き手:フレデリック・マゼンク(フランス観光開発機構代表)
インタビューシリーズでは、各界の方にフランス旅行の魅力について語って頂きます。
by France.fr
あなたの知らなかった、新しいフランスの魅力をお伝えします。