世界最高峰の長距離自転車レース、ツール・ド・フランスでも知られる通り、フランスは自転車が盛んな国です。各地でサイクリングロードの整備も進んでいて、これらのルート沿いにはサイクリストに適した宿のネットワークや、荷物送迎を請け負うレンタサイクル業者が多数存在し、関連サービスをすべてパッケージ化した旅行商品もあるので、日帰り旅行だけでなく数日間を通した サイクルツーリズムが可能です。
ロワール渓谷|ロワール・ア・ヴェロ
フランス最長の河川ロワールの河岸に整備が進む「ロワール・ア・ヴェロ」(La Loire à Vélo)。フランスのユニークな自転車専用道路です。トゥールを中心とするサントル(Centre)地方と、その西に広がるルマン、アンジェ、ナントを含むペイ・ド・ラ・ロワール(Pays de la Loire)地方の二つの地方にまたがる全長約800kmのサイクリングコースです。シェール県のキュフィCuffyを起点とし、大西洋岸の町サン・ブレヴァン・レ・パンSaint-Brevin-les-Pinsまで続くコースです。
ロワールは魅力が尽きない美しい渓谷といわれ、中でもシャンボール城をはじめとする、ロワール渓谷周辺280kmにわたり1981年・2000年とユネスコ世界遺産に登録された文化遺産、ロワールの古城群は観光地として大きな人気を誇る地帯です。
「ロワール・ア・ヴェロ」アプリは経路の細かい部分までGPSで情報を教えてくれる。経路だけでなく、宿泊施設やレストラン、レンタルや観光スポットを自分でセレクトして保存できる! またアプリが出すチャレンジに挑戦し、アプリ内でトロフィーを獲得して、アマチュア、美食家などの称号が与えられる。最上級の称号は「ワール・ア・ヴェロの王」!
パリ - モン・サン・ミッシェル|ラ・ヴェロセニー
ラ・ヴェロセニー(la Véloscénie)はパリの中心ノートルダム大聖堂から、フランスで最も有名な世界遺産モン・サン・ミッシェル湾まで、4地方8県、3つの地方自然公園を貫いて走る、最高のサイクリングコースです。コースの全長は440km以上、またパリを起点に、エッフェル塔、ヴェルサイユ宮殿、シャルトルの大聖堂などを通過してモン・サ・ミッシェルにまで至る類まれなコースです。
本格的な観光サイクリングコースとして、130kmの「ヴォワ・ヴェルト(緑の道=自動車、オードバイの乗り入れが禁止されている道路)」や、200kmの「ヴォワ・パルタジェ(共有の道=車の通行量が少ない安全な小道)」など、さまざまなタイプの標識付きサイクリングロードから構成されています。
こうした歴史・文化・宗教的遺産を巡りながら、移ろいゆく光につつまれながら絶景を楽しんだり、各地に眠る秘宝の数々を目にすることができます。中世の建築遺産や印象派の作家の足跡をたどる旅としても理想的です。
ブルゴーニュ|ブルゴーニュ・ア・ヴェロ
ワインの産地で知られるブルゴーニュは、フランスの中でもとくに運河が発達した地方。その運河沿いを中心に800㎞にわたる5つのサイクリング・ロードが整備されています。すべてのコースをつなぐとブルゴーニュを自転車(ヴェロ)でぐるっと一周できるようになっています。
ブルゴーニュならではの景観が楽しみたいなら、「ブドウの道」コースがおススメです。
コート・ド・ボーヌのブドウ畑と秀逸なワインを生み出す村々(Pommard,Volnay, Merusault, Puligny-Montrachetなど)を次々に通り過ぎるこのコースは丘一面のブドウの中を走り抜けるので、いろんな角度からブドウ畑が眺められます。
また、作業中のブドウ農家の人々はみなフレンドリーで、気持ちよく挨拶してくれます。
途中の村で立ち寄るセラーは、ひんやりした石壁が心地よく、暑い時期のサイクリング時期には、何にも代えがたい存在となる。いろいろ試飲させてもらえるが、飲み過ぎには注意!
新緑の頃はもちろんですが、ブドウの葉が色づく9~10月の頃も美しい景観が広がります。
ローヌ・アルプ地方|ヴィアローナ
ローヌ川沿いに造られたヴィアローナはサイクリング専用ロードで、全体の65パーセントがローヌ川公社CNRの管轄地域、35パーセントが一般道沿いとなっています。ヴィアローナのおかげで沿岸の住民も観光客も気軽に川沿いに広がる豊かな自然に親しむことができるほか、周辺地域の史跡観光や、クルーズやワイン、グルメなどさまざまな形の遊覧を楽しむことが可能です。
サヴォワ地方のブドウ畑、リヨン中心街を流れるローヌの河岸、アン県グロスレ市Grosleeでは木々が生い茂る岸辺、ローヌ県ではリヨン近郊のメリベル・ジョナジュMiribel-Jonage公園にあるビーチ、ロワール県ではサン・ピエール・ド・ブフ村Saint-Pierre-de-Boeufにあるネーチャーアクティビティの拠点、ドローム県ではサン・ヴィリエ城chateau de Saint-Vallier など、見どころには事欠きません。変化に富んだ豊かな風景を堪能できます。
ローヌ川といえばローヌワインの産地として知られていますが、ボルドーやブルゴーニュと異なる点としては何と言ってもローヌ川沿いの急斜面に作られたブドウ畑の景観です!
南仏の偏西風ミストラルの通り道で徐々に削られた岩山の斜面に作られたブドウ畑はフランス広しと言えどもこの地方でしか見ることができません。
ヴィアローナを利用することにより、クルーズや各種ウォータースポーツ、文化的なアクティビティ、あるいはローカルのワイン観光やグリーンツーリズムなど、さまざまな形態の観光へと旅の選択肢が広がります。
ミディ運河|緑の道(ヴォワ・ヴェルト)
トゥールーズから大西洋を結ぶガロンヌ運河と連結するミディ運河はユネスコの世界遺産に登録されています。そのミディ運河に沿って設けられた「緑の道」はサイクリストやローラースケーターのために整備されました。そのため、そのほとんどがアスファルトで舗装されており、3mの道幅が確保されています。
トゥールーズの中心部を出発して「緑の道」を進めば、まずはル・ロラゲ地方の緑豊かな渓谷へと行き着きます。ル・ロラゲ地方では小麦畑やヒマワリ畑が織りなす心安らぐ風景を味わいながらペダルを漕ぎましょう。運河の閘門やモンジスカール、バジエージュ、エゲヴィーヴなど魅力あふれる村々も見どころです。正面壁をくりぬいて鐘を取りつけるという珍しいスタイルで建てられた教会もお見逃しなく。
ボルドーに近づくにつれ、周囲にはブドウ畑(フロントン)や果樹園(タルン・エ・ガロンヌ県)から成る田園風景が広がり始めます。観光名所になっているモワサック村Moissacに立ち寄ることもオススメします。
by France.fr編集部
あなたの知らなかった、新しいフランスの魅力をお伝えします。