ロデスのスラージュ美術館: 黒の絵画のための美術館

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Anibal Trejo - AdobeStock
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この記事は 0 分で読めます2014年11月4日に公開, 2019年6月26日に更新

ピレネー山脈にあるロデス市は、現代アートの巨匠であるピエール・スラージュが生まれ育った街です

スラージュは生まれ故郷を深く愛していました。そして彼が寄贈した作品500点を所蔵するスラージュ美術館が2014年にオープンしました。

この美術館は、ピエール・スラージュの業績を紹介するものですが、スラージュ本人の存命中にオープンしています。これは他に例のないことです。

さまざまな芸術手法

「黒の画家」と呼ばれたスラージュは、現代アートのさまざまな手法を用いました。印刷(エッチング、リトグラフ、シルクスクリーン)、布や紙に描いた絵画、ガラス(ステンドグラス)、ブロンズ、銅… これらのすばらしい作品が、広さ2500平方メートルの美術館に展示されています。

さびついたファサード

美術館の建物そのものも、見る人を驚かせます。5つのさびて古びた鋼の立方体は、彼の代表作である絵画「Brous deNoix(クルミの皮)」を思わせる色彩です。

また、建物はロデスのノートルダム大聖堂と同じピンクの砂岩で作られています。この大聖堂は、コースとセヴェンヌ山脈の手つかずの自然を背に、堂々とそびえています。

黒と光

緑から黒へ… 展示作品の中でも、スラージュの愛した黒をもちいたものが多く、簡潔な表現がその色を引き立てています。

さまざまな時代の芸術を取り入れることを愛したスラージュ。彼の重要な作品である20枚のウートルノワール(光の反射や絵の具の質によって生み出された深みのある黒)の作品では、黒の色彩と光がまるでかくれんぼうをしているようです。

またスラージュは、若い頃に画家を目指すきっかけとなった場所である、コンクのサント・フォワ修道院付属教会のために104枚のステンドグラスを制作しました。

創作、教育の場として

スラージュ美術館――そしてその緑あふれる環境――は、人々が集い、楽しみ、また教育を受ける場でもありますが、企画展を開催することで、これからの芸術を紹介することも使命としています。

アドレス

スラージュ美術館MuséeSoulages

Jardin du FoirailAvenue Victor Hugo

12000 Rodez

by   France.fr編集部

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