ヴォージュ山脈の東斜面に連なるアルザスのブドウ畑。その間を縫って、北はマルレンアイムから南はタンまで、およそ170 km に渡ってアルザス・ワイン街道が続く。春夏には深い緑に、秋には黄金色に色づく大地。石畳の路地に、窓辺を花々で彩った木組みの家々。街道沿いには 100 余りの村が点々とし、車を走らせると次から次へと可愛らしい町並みが目を楽しませてくれる。こうした田舎町では、気さくな居酒屋やこぢんまりした宿屋、試飲も楽しめるワインセラーが旅人を迎えてくれる。
通り沿いに点在する“ Route des Vins d'Alsace ”(アルザス・ワイン街道)の標識がワイン街道の目印。村と村の間の公共交通は発達していないので、できることならレンタカーやタクシーを利用したい。ま た、鉄道が通っている町(オベルネ、バール、セレスタ、リボーヴィレ、コルマールなど)からタクシーで近郊を回ったり、コルマール発の観光バスを利用する方法もある。
街道沿いの村々
オベルネ OBERNAI 彩り豊かな家並みが美しい聖女オディールゆかりの地 サント・オディール山の裾野、城壁に囲まれる村オベルネは、アルザスの守護聖人オディールの出生地。オディール像の噴水がたつマルシェ広場 Place du Marche が、地元の人々と旅行客が行き交うオベルネの中心地。一角にある切り妻屋根のブラッスリーが、実は 1554 年から残る昔の取引所 Halle aux Bles であったりして、歴史を改めて実感させてくれる。ひときわ高くそびえる鐘楼の方に向かうとシャペル広場 Pl.de la Chapelle へ。“カペルテュルム Kapelturm ”と呼ばれるこの鐘楼は 13 世紀のもので、 1597 年に建てられた望楼を戴いている。隣には 16 世紀の市庁舎 H o tel de Ville が構え、観光案内所もこの広場に面している。オベルネの町並みがどこか華やいだ印象を与えるのは、木組みの家々の明るい色調と、バルコニーを彩る鮮やかな 花々のせいかもしれない。こうした建物の 1 階は、花屋さんやギャラリー、ワインの店、ブティック、サロン・ド・テなどになっており、そぞろ歩きにいっそうの楽しさを添えてくれる。 15 世紀のステンドグラスがあるサン・ピエール・エ・サン・ポール教会 Eglise St-Pierre-et-Saint-Paul や、村をグルリと囲む城壁も散策コースに加えたいところ。民族衣装をまとった人々でにぎわうワイン祭り( 8 月 15 日の週の週末)や収穫祭( 10 月第 3 日曜)も有名。
▲アクセス 列車:ストラスブールから約 30 分。約 1 時間に 1 本運行。 ▲観光局 Place du Beffroi TEL:03 88 95 64 13 FAX:03 88 49 90 84
バール BARR 落ち着いた佇まいに心なごむ 緩やかな斜面に横たわり、ブドウ棚が市外の間近まで迫るバールは、いかにもワイン街道の小さな村らしい落ち着いた佇まいが魅力。坂の上から村を見守るのはプ ロテスタントの教会。ルネサンス様式の市庁舎 を起点に、18 世紀の邸宅に 17 ~ 19 世紀の調度品を展示するフォリー・マルコ博物館 Mus ee de la Folie Marco や、周辺に点在するワインセラー に足を向けてみたい。 ▲アクセス 列車:ストラスブールから約 40 分。約 1 時間に 1 本運行。 ▲観光局 Rue des Bouchers TEL:03 88 08 66 65 FAX:03 88 08 57 27
リボーヴィレ RIBEAUVILLE 山上の城が見守るコウノトリの里 所々、 屋根の上にコウノトリの巣が見受けられるリボーヴィレは、グラン・クリュ(特級)畑に囲まれるワインの村。周りの山並みを仰げば、廃墟となった山上の城が 見える。 18 世紀の市庁舎が村の中心で、内部はかつての領主の宝物が並ぶ市立博物館 M use e Municipal となっている。城門をくぐると目抜き通りのグラン・リュ Grand'rue に土産店や居酒屋が連なる。中世の音楽隊のパレードがある笛吹きの祭り( 9 月第 1 日曜)も有名。 ▲アクセス 列車: ストラスブールから約 35 分。約 1 時間に 1 本運行。 ▲観光局 1. Grand'rue TEL:03 89 73 62 22 FAX:03 89 73 23 62
オー・クニグスブール城 CHATEAU DU HAUT- KOENIGSBOURG 古来の通商路を見下ろす、山上の巨大な城塞
▲アクセス コルマールからタクシーが便利。距離は約 6km 。 ▲観光局 22A Grand'Rue TEL:03 89 23 40 33 FAX:03 89 41 86 20
by France.fr編集部
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