病治癒の伝説を持つ奇岩と聖堂
フランスの中心部にあるオーヴェルニュ・ローヌアルプ地方は火山地帯で、火山活動により隆起した奇岩が多く見られます。ル・ピュイ・アン・ヴレーもそのひとつ。
町には2つの奇岩(コルネイユ岩山とサン・ミッシェル岩山)が聳え、その上に建てられた聖母像と礼拝堂が町を見下ろすという、一度見たら忘れられないミステリアスな景観が広がります。ここル・ピュイは、中世にサン・ジャック・デ・コンポステラへの巡礼路の基点として大きく栄えましたが、じつはキリスト教の布教以前より土地の信仰が浸透しており、その頃の神殿が現在の大聖堂の場所にあったとされます。
大聖堂の中には、「熱病の石la pierre des fièvres」と呼ばれるドルメン(岩)の一部がありますが、これはガリア・ローマ時代、病に苦しむ一人の女性がこの石の上に聖母マリアの出現を目撃したことから病が治癒したという奇跡が言い伝えられています。 キリスト教が広まった後も多くの奇跡が報告され、今でも巡礼者の中にはこの石の上に寝転び、治癒を祈願する人々がいます。 ちなみにル・ピュイ・アン・ヴレーはレースの町としても有名です。ル・ピュイのレースは編み針でなく、特別な器具を使用して糸を組み合わせる独特の製法で編まれ、繊細なデザインのものが多いのが特徴です。ハンドメイドのレースを一生ものとして購入してみては。
アクセス 空路/パリ・オルリー空港からルード(Loudes)空港への便あり。市内まで車で10分。 鉄道/パリ・リヨン駅からTGVでサン・テティエンヌ・シャトークルーST ETIENNE CHATEAUCREUX駅、在来線に乗り換えル・ピュイ・アン・ヴレーLE PUY EN VELAY駅へ。合計4時間半。
by France.fr編集部
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