かつてのブルターニュの繁栄を今に伝え、また実際に歴史の舞台ともなったブルターニュ高等法院は、逆説的にも、17世紀の仏王室、さらにはパリの歴史を今に伝える歴史遺産となっています。ブルターニュ高等法院の設計は、パリのリュクサンブール宮殿も手掛けた建築家サロモン・ド・ブロスが担当。1618年に起工され、1655年の竣工まで実に40年弱の歳月をかけて建てられました。見どころは大法廷。シャルル・エルナールとノエル・コイペルの素晴らしい絵画、金箔装飾を施した木枠組など、贅をつくした内装をご覧ください。これは、かつての公国の権力だけでなく、この時代に花開いた文化様式を今日に伝えるものです。
約100年余りの工事期間を経た後、1720年に起きたレンヌの大火の影響もあり、ブルターニュ高等法院の改修が試みられます。ルイ15世のお抱え建築家であったジャック・V・ガブリエルは、建物前に花崗岩と石灰土を使用した美しい王侯広場を作りました。同時に広場を囲む建築物の整備や、広場中央部にルイ14世像の設置がされます。18世紀後半フランス革命が勃発すると、高等法院は廃止され、政治的機能を失い、建物は高等裁判所となりました。1994年に起きた火災はレンヌ市民にとってトラウマとなりましたが、完璧な修復作業で幸い元の姿を取り戻し、今日、一般に再び開放されています。
アクセス: 電車: Paris TGV → Rennes
by France.fr
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