5分でわかるアルザスの「シュークルート」

インスピレーション

アルザス・ロレーヌ美食とワイン

シュークルートはアルザスの最も有名な食べ物の一つ。
© Daniel Vincek - シュークルートはアルザスの最も有名な食べ物の一つ。

読了目安時間: 0 分19年10月2019日に公開

アルザス名物と言ったら…シュークルート! キャベツを使ったこの名物料理は、肉や魚といったメイン料理に添えて提供されます。 France.frが、冬の食卓を華やかにする、おいしい料理の組み合わせの秘訣をいくつか紹介しましょう。

材料はキャベツ…それだけ!

アルザスのシュークルートは発酵させたキャベツ
© MarekPhotoDesign.com/Adobe Stock - アルザスのシュークルートは発酵させたキャベツ

「シュークルート」とは、肉や魚に添えられる発酵させたキャベツのこと、あるいは、サラダとして生で出されるキャベツのことも指します。 この名称は、アルザス語で、酸っぱいキャベツを意味するsürkrüt(スルクルットゥ)に由来します。 アルザスの特徴的な一品の仕込みは次の通り。 キャベツ(伝統を重んじるなら、カンタル・ダルザス種のキャベツが好ましい)を細い千切りにして、発酵用の大きな桶に移し、塩を加えて2週間から2か月待ちましょう。 はい、以上です!

正真正銘アルザスのシュークルート

EU地域内におけるIGP(地理表示保護)のラベルを獲得
© Daorson/Adobe Stock - EU地域内におけるIGP(地理表示保護)のラベルを獲得

20年にわたる働きかけが実り、アルザスのシュークルートは、2018年の夏、ついにEU地域内におけるIGP(地理表示保護)のラベルを獲得しました。このラベル表示は、発祥地を保証するのはもちろんのこと、その地の伝統の加工の方法で、加工の過程や使われるキャベツの生産もその土地で行なわれていることを保証するものです。

アルザスのシュークルートの特徴をいくつか挙げるならば、まろやかな酸味、白から淡く黄味がかった色合い、細長い千切り、そしてしんなりと発酵していることでしょう。 製品に貼られた、黄色と青のマカロンのようなIGPラベルは、これがアルザス産であるという証。 本物のアルザスのシュークルートを手に入れるための簡単な方法は、ラベルを見て選ぶことです。

肉料理、それとも魚料理?

アルザスでは、付け合わせとしてシュークルートを食べます。つまり、添えるものと一緒に火を通します。

肉やシャルキュトゥリが大好物な方は、ストラスブールやモンベリアールのソーセージ、三枚肉やスネ肉、そしてジャガイモを添えるのがオススメです。 魚がお好きなら、川魚(もちろんアルザスの川で獲れたもの!)と組み合わせるか、海の幸のシュークルート添えにするのもいいでしょう。シュークルートは、リースリングやシルヴァネールといったアルザスワイン、この地方のブロンドビールとも相性抜群です。

キャベツ村へようこそ

この小さな村では、キャベツ栽培が古くから伝統的に行なわれています
© Helene Devun/Adobe Stock - この小さな村では、キャベツ栽培が古くから伝統的に行なわれています

シュークルートの首都を声高に宣言するクラウターガースハイム(アルザスのドイツ語方言で、「クラウト」はキャベツの意味)は、ストラスブールの南、ヴォージュ山麓にあります。

この小さな村では、キャベツ栽培が古くから伝統的に行なわれており、毎年9月の週末に、シュークルート祭を開催しています。 村の料理人たちによって仕込まれたシュークルートを味わうことができるほか、キャベツの千切りデモンストレーションを観覧、屋台から屋台へと移動しながら村を散策するのもいいでしょう……。

クラウターガースハイム公式サイト(フランス語)

シュークルートを使ったフランス語の表現

シュークルートは、フランス語の中にも浸透しています
© Jérôme Rommé/Adobe Stock - シュークルートは、フランス語の中にも浸透しています

シュークルートがフランスの食文化遺産の一部をなしているならば、フランス語の中にだって浸透しているはず。

もしかして、フランス語がわかる方は、誰かが「シュークルートの中で自転車を漕ぐ(pédaler dans la choucroute)」と言っているのを聞いたことがあるのでは? この表現は、ツール・ド・フランスで、落伍した選手を収容する専用車が、かつてシュークルートの広告でラッピングされていたことに由来します。 意味は、漕いでも漕いでも前進しないこと。 また、「シュークルートとは全然関係がないのだけれど(aucun rapport avec la choucroute)」という表現もあります。これは、いま進行中の会話とまったく関わりがない話題を挟むときに使われます。

Dive Constance

france.fr編集長

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