グランド・シャルトルーズ修道院

インスピレーション

アルプス・モンブラン文化・遺産スピリチュアル

Musée de la Grande Chartreuse
© Musée de la Grande Chartreuse

この記事は 0 分で読めます2014年7月18日に公開

静謐な佇まいのグランド・シャルトルーズ修道院はカルトジオ会修道院の総本山。900年前に建てられた修道院では現在も、社会と隔絶した静寂の中、30人ほどの修道士たちが沈黙と瞑想と祈りに捧げる生活を送っています。

フレンチ・アルプスの一部を成すシャルトルーズ山塊、そこに建つ神秘的なグランド・シャルトルーズ修道院、そしてその修道院に伝わる薬草酒シャルトルーズ。いずれも、フランス語では「シャルトルーズ」と言い、今から900年前に設立された修道会のカルトジオ会に関係があります。

グランド・シャルトルーズ修道院は、1084年、当時グルノーブルの司教であった聖ユーグの勧めに従い、カルトジオ会の創設者であるケルン出身の聖ブルーノと6人の弟子たちがフレンチ・アルプスの山嶺に建てたもの。どの方角から修道院を見ても、背後にシャルトルーズ山塊が高く張り巡らされた城壁のごとく迫っています。俗世間から完全に切り離され、静寂の中で瞑想と祈りに捧げる生活を望んだ修道士たちにとって、この人里離れた山間はまさに理想の地でした。

現在では30名ほどの修道士たちが礼拝や瞑想の日々を送っています。彼らの生活や修道院の運営は、修道院の管理をまかされている助修道士たちによる肉体労働(木工や鉄細工、薬草酒に使うハーブの選別など)によって支えられています。

修道士たちが寝起きするのは一人一人に割り当てられた小部屋。どれも全く同じ大きさの簡素な空間で、外界とは完全に遮断されています。1階と2階に共用の大部屋が2つずつあり、庭には小さな薬草園があります。修道士たちは大半の時間を「クビクルム」と呼ばれる、机と祈祷用スペース、ベッドのある小部屋で過ごします。夜間にも祈祷の時間があるため、睡眠時間は分断されてしまいます。総計すると、修道士は一日に9時間祈りを捧げ、8時間休息し、7時間を肉体労働ないし学問に費やしていることになります。

グランド・シャルトルーズ修道院博物館

カルトジオ修道会の総本山であるグランド・シャルトルーズ修道院は神秘的な雰囲気に包まれています。この修道院は見学をすることはできないからです。

しかし、グランド・シャルトルーズ修道院から2キロほど離れた場所にかつて助修道士たちに割り当てられていたルネッサンス時代の古い建物があり、現在は博物館として公開されています。この博物館を訪れれば、グランド・シャルトルーズ修道院について理解を深めることができるでしょう。

2012年に完全リニューアルされた博物館は資料や日曜生活品、版画など豊富な展示品を誇り、修道院の高い壁の内側でどのような生活が営まれているのかを詳細に伝えてくれます。映像や修道士たちの体験談など貴重なドキュメントもあり、カルテジオ修道会の神秘や修道士たちの孤独、厳しい修行の一端に触れることができるでしょう。修道院での日々の暮らしを記録したドイツ人のフィリップ・グレーニング監督によるドキュメンタリー映画「大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院」(2006年)も、修道院での静寂さを体感させてくれます。

修道院秘伝のリキュール

シャルトルーズといえば、修道院秘伝の配合で醸す130種の薬草を浸出したリキュールをまず思い浮かべる方が多いのでは。スッキリした香りが立ち上る緑色の方がシャルトルーズ・ヴェール、それよりまろやかな口当たりで黄色いのがシャルトルーズ・ジョーヌ。ストレートで楽しまれるほか、その美しい色合いや独特の風味はカクテルやお菓子のレシピの中で存在感を発揮します。現在はヴォワロンVoironの町にその蒸留所とカーヴがあり、ミュージアムになっています。深遠なるシャルトルーズの世界を覗いてみたい方はぜひ。

グランド・シャルトルーズ修道院 - #1

by France.fr

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