ミディ・ピレネー地方を代表する博物館
エアバス旅客機 A380 を製造するラガルデール工場に隣接するトゥールーズ・ブラニャック空港にある、アエロスコピア博物館はまさに航空産業を代表する博物館です。
ミディ・ピレネー地方は航空機産業が誕生した場所であり、トゥールーズ地域圏、ブラニャックは欧州最大の航空産業の中心地です。
かつてトゥールーズ南方20kmのミュレで1890年、クレマン・アデールが自分の設計により軽量の蒸気エンジンを使った世界初の飛行機の製作を試みていました。1世紀以上を経た2005年4月27日、1969年のコンコルド機の初飛行を模して、エアバス社の史上最大の旅客機A380がブラニャック上空を初めて飛行しました。
今日ミディ・ピレネー地方では約8万人が航空業界に携わっており、まさに、経済活動の原動力となっています。
航空産業の歩み
館内では模型やタッチパネル表示を使い、飛行機機体がどのように組み立てられるか、部品、工場設備について解説されている他に、これまでの偉業と失敗例も紹介されています。
最大の見どころ:総面積7000㎡の展示ホール
A300B、コンコルド、スーパーグッピー、キャラヴェル(1950年代後半に造られたフランス初の中距離ジェット機)など、欧州の航空製造技術を代表するモデルの本物の機体を展示しています。
スーパーグッピーの内部は30名まで収容可能で、音声と映像によるスペクタクルを上映しています。博物館の見学を始める前の良い手ほどきになるでしょう。 A300B は透明なつくりの外装になっており、コックピットや貨物室、内部構造が隅々まで観察できるようになっています。 これらの伝説的な飛行機の他に、コルヴェットやファルコン10などの民間機、ガゼル(ヘリコプター)やサーブ・ドラケンのような戦闘機が修復されて展示されています。
全長58メートルの長いフレスコ画には、航空技術のパイオニア達、飛躍的発展、戦時中の航空産業、技術、性能など、航空界の歴史を振り返るさまざまな場面が表現されています。
最大の目的 : 航空遺産の保存
アエロスコピア博物館が創設された最大目的は、科学・技術・人間味を融合させて出来上がった飛行機(航空産業)という人類の偉業を未来に伝えていくことにあります。より多くの若い人たちに航空産業に興味を持ってもらい、次世代を担える人材を産み出すことも視野に入れています。
もっとも、今日では多くの人々が飛行機や航空業界について興味を持っており、毎年、エアバス社およびA380組み立て工場には15万人以上のビジターが足を運んでいます。
アエロスコピア博物館とエアバス社の見学には共通チケットもあり、こちらを利用しても良いでしょう。 エアバス社では1990年よりマナトゥール・グループが見学の受付や諸々の見学コースの運営をしています。
住所:Manatour Rue Roger Béteille 31700 Blagnac
by France.fr編集部
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