ブルゴーニュワインの首都、ボーヌには15世紀に建造された施療院があり、豊かな歴史を今日に伝えています。
苦しみを和らげるために
ボーヌの施療院は、もともとは慈善活動を行う施設として建てられました。百年戦争のさなか、貧困と飢餓が蔓延するボーヌでブルゴーニュ公爵の大法官であったニコラ・ロランは貧しく病に苦しむ人々を救済する場所としてオテル・デュー(施療院)を建てました。
ボーヌの施療院で最も目を引くのは、ゴシック建築様式のファサードと幾何学的紋様の色鮮やかなモザイク模様の瓦屋根です。ブルゴーニュワインの都ボーヌの中心部にあり、歴史的建造物に指定されています。
ゴシック建築様式で作られた施療院は以下の建物から成り立ちます :
- 美術館と3つの中庭
- いくつかの付属棟
- オスピス・ド・ボーヌの秘蔵ワインを保存する全長数百メートルのセラー
歴史的建造物として
ボーヌの施療院は、典型的な昔の公立病院の形をしており、栄光の庭を囲むように4つの建物が建っており、その内部が博物館になっています 施療院は非常に良い状態で保存されており、中世期の民間建築が今日まで残る珍しい例と言えます。内部では家具、タペストリー、薬壺など実に多種多様なコレクション品5000点をまとめて紹介しています。絵画も沢山展示されており、一番有名なのは紛れもなくフランドル絵画の傑作「最後の審判」(ファン・デル・ウェイデン作)でしょう。
その他に、色彩鮮やかな梁や装飾が印象的な大きな広間「貧者の部屋」、その奥に設けられたゴシック建築のチャペル、自動システムでロースト用回転機が時折作動する興味深い炊事場、陶器や錫製の薬壺を並べた薬局など、興味ある見どころに溢れています。
11月、ワインの競売会
ボーヌの施療院は、数世紀の間に素晴らしいワイン醸造の技術も獲得しました。現在施療院が所有するブドウ畑は厳選された22のブドウ栽培者に託されており、収穫されたブドウから生産されるワインの85%が特急格付けワインまたは一級格付けワインになっています。
これらの特別な美酒は伝統により11月の第3日曜日に競りにかけられます。これぞ、世界で最も人気あるワインイベントです! 競りで得られた売上金は、施療院の最も正当な伝統に基づき慈善団体に寄付されるほか、施療院の運営費に充てられます。
by France.fr編集部
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