バカラのクリスタル博物館

インスピレーション

ヴォージュ山脈文化・遺産

Musée Baccarat Lorraine - Laurent Parrault
© Musée Baccarat Lorraine - Laurent Parrault

この記事は 0 分で読めます2009年12月13日に公開

「バカラ」と言えば第一級の高級クリスタルメーカーとして世界に知られています。そのバカラ社があるグランド・エスト地方のバカラ村では、併設のクリスタル博物館で、250年以上続くクリスタルガラス製造の歴史を紹介しています。

歴史あるバカラのガラス工場と、かつて工場長が居住した邸宅は現在博物館として一般に公開されており、宝石、テーブル・アート、照明器具、装飾品を通して、クリスタル製造の歴史を伝えています。

見学の最中に時折、博物館前にある工場から窯の稼働する音が聞こえてきます。歴史の中で継承され、今日も引き継がれるクリスタル製造技術をまさに体感する瞬間でしょう。クリスタル博物館内は非常に洗練された演出がなされており、過去の、今日のクリスタルガラス職人の名人技を、それに見合う美しいBGMとともに見学することができます。

歴史の中のバカラ

それでは展示室に進み、数世紀にわたって世界の著名人を魅了してきたバカラ社の代表的なガラス作品を実際にご覧ください。 まずは、ロシア皇后アレクサンドラのために注文された24の蝋燭を灯す大燭台が見えます。これはバカラ社が19世紀、ロシア皇室に優遇されていた歴史を今に伝えるものです。 そして、あちらにはシャルル10世に贈呈された水差しが飾られています。 また、1909年のナンシー国際博覧会のために制作された有名な花瓶「レ・トロワ・グラース」も忘れずに鑑賞しましょう。金色ブロンズ装飾とクリスタルガラスの透明感のコンビネーションが美しい作品です。

透明と赤のクリスタルガラスで作られた「ゼニット」シリーズの大シャンデリアが飾られた「デッサンの書斎」も見逃せません。この展示室ではバカラ社の象徴であるベストセラーグラス「アルクール」に代表される、社独特の技術が詰まった作品群が展示され、その制作過程を振り返ることができます。

今日のバカラ

現代のバカラ社の製品は、非常にモダンでシンプルな洗練された雰囲気の展示室で紹介されています。今日バカラ社は、フランスを代表するデザイナー、フィリップ・スタルクとのコラボレーションによる商品を提案しています。スタルクは有名な「ゼニット」シャンデリアを生み出したことでも知られています。

バカラ社のクリスタル制作技術は、時代にも影響を受けています。絶えず考案を繰り返しながら、常に最先端を行く技術が生み出されています。何故なら最高のガラス職人、吹きガラス職人、ガラス加工職人が、クリスタルの純度と美しさをよりよく表現するに相応しい新しいフォルムを追求し、創作し続けているからです。

世界の王侯貴族からの特注品

展示のクライマックスは、ロシア最後の皇帝ニコライ二世、日本の明治天皇、スペイン王のアルフォンソ13世など、各国の王侯貴族や政府から特別注文を受けて作られた素晴らしい作品が並ぶ「華麗なる特注品」という展示室でお楽しみ頂きます。 バカラ社の生活美学、フランスらしい優雅さ、国際的名声を証明する数々の作品が展示されています。

住所: Musée BACCARAT Cour des Cristalleries 54120 Baccarat

by France.fr

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