古い石造りの建物やロマネスク美術、中世の家々が残るブルゴーニュの村は、豊かな過去を物語る城塞や教会、要塞を通して、私たちにその歴史を伝えてくれます。「フランスの最も美しい村」に認定された村をいくつかご紹介しましょう。
中世の村、ノワイエ・シュル・スラン
ノワイエ・シュル・スランNoyers-sur-Sereinの道を歩くだけで、まるで過去にタイムスリップしたかのようです。24の塔がある城壁を見たら、3つの門のうちひとつを通って村に入ります。石材で造られた邸宅や、ブルジョワの屋敷、木骨組のファサード、ブドウ園経営者の家、古い教会、アーケードに囲まれた広場など、間違いなく非日常を感じることができます。道の曲がり角からは、中世の衣装を身につけた人々が出てきそうです。 ノワイエ・シュル・スラン公式サイト(英語)
グルメの村、フラヴィニー・シュル・オズラン
この要塞化された村には、砂糖とアニスが混ざった、すぐにそれとわかる匂いが立ち込めています。そう、ルイ9世(1214-1270)の時代まで起源を遡ることができるというキャンディー、アニス・ド・フラヴィニーの匂いです。匂いに導かれながら、可愛らしい敷石が敷かれたフラヴィニー・シュル・オズランFlavigny-sur-Ozerainの道を散策してみましょう。この匂いが強くなってきたら、古いベネディクト会修道院が近づいてきた証拠です。アニスキャンディはここで、12世紀から変わらないレシピで作られています。工場を見学したら、帰る前にはカシスやスミレ、レモンやバラの香りがついたキャンディーでポケットがいっぱいになってしまうはず。準備が整ったところで、中世とルネッサンスの時代に造られた趣のあるロマンティックな村を見学しましょう。 ブルゴーニュ観光局公式サイト(英語) アニス・ド・フラヴィニー公式サイト(英語)
聖なる村、ヴェズレー
この村の丘の上には、 キリスト教の聖地であり、サンティアゴ・デ・コンポステーラの始点のひとつであるサント・マドレーヌ大聖堂があります。大聖堂に到達するには、ヴェズレーVézelayの村を通って行きますが、この中世城塞都市の狭い道には、ロマネスク様式の家々やルネッサンス様式の邸宅、ポント邸や村役場のような17〜18世紀の建造物が並んでいます。途中、小説家ロマン・ロランの家で休憩することもできます。この家は、今ではゼルヴォス家が集めた美術コレクションを収蔵するゼルヴォス美術館として使われ、アレクサンダー・カルダー、ジョアン・ミロ、パブロ・ピカソなどの作品を展示しています。そして、村のメインの通りにある画廊や職人たちによる露店を見ながら進むと、道の端にサント・マドレーヌ大聖堂が現れます。 ヴァズレー観光局公式サイト(フランス語)
要塞の村、シャトーヌフ・アン・オーソワ
ブルゴーニュ運河と平野を見下ろし、ディジョンとオータンの間に位置する要衝の村シャトーヌフ・アン・オーソワChâteauneuf-en-Auxoisは、中世にはこの地方の要塞のひとつであり、また交易の中心都市でもありました。村には繁栄を極めた時代の名残である城が残っています。もともとは要塞として使われた建物で、15世紀のブルゴーニュの軍事建築に特徴的な様式をしています。この村には、石造りの要塞だけでなく、豊かな植物があり、住民の誇りとなっています。中世末期からルネサンスにかけて建てられた、豊かなブルジョワ商人の邸宅も見どころで、邸宅に付属した小塔や彫刻などの装飾は往時の繁栄を忍ばせます。これらは特に、村で最も古い家柄のひとつビショ家の邸宅や、ルネッサンス様式の彫刻装飾の施されたムートン家の邸宅に見ることができます。 シャトーヌフ・アン・オーソワのページ(フランス語)
ロマネスク様式の村、スミュール・アン・ブリオネ
ブルゴーニュ地方南部のこの小さな村スミュール・アン・ブリオネSemur-en-Brionnaisは、100近いロマネスク様式の教会や礼拝堂が集まるロマネスク街道に位置しています。12世紀建造のサン・ティレール教会は、ブルゴーニュ地方で造られた最後の大規模ロマネスク建築のひとつです。全体的にはクリュニー修道院様式のロマネスク建築でありながら、ゴシック様式の前兆となる要素もいくつか見てとることができます。この村にはブルゴーニュ地方最古の城で、クリュニー修道会の創設者サン・ユーグ(聖ユーグ)が生まれたシャトー・サン・ユーグもあります。丘の谷間にあるロマネスク様式のサン・マルタン・ラ・ヴァレ教会は太陽の傾きに合わせてバラ色の色調を帯び、とても牧歌的な風景を見せてくれるので、見逃さないようにしてください。 スミュール・アン・ブリオネ公式サイト(フランス語)
さらに詳しく ・ブルゴーニュ観光局公式サイト(英語)
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by コンスタンス・ディヴ
france.fr編集長