ボルドーに行ったらMECAを訪れたい5つの理由

ボルドー文化・遺産

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© Laurianghnitoiu

この記事は 0 分で読めます2019年12月7日に公開, 2023年11月14日に更新

MECA(メカ) とは、ボルドーに最近できた目を引く建物、「創造経済・文化会館」 のこと。すぐにそれとわかる個性的な建築デザインで、豊かな芸術性でも特筆すべき施設です。ループ状に機能が配置された空間 構成になっており、1階から上階まで歩けば、昼でも夜でもボルドーの新しい魅力を発見することができるでしょう。

絶えず変化する建築を目の当たりに

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ボルドー駅を出てすぐに、あるいはガロンヌ川の川岸で散歩をすればすぐに、MECAが目に飛び込んできます。もともと食肉処理場として使われていた場所に建てられ、同じく ホテルやレストラン街を擁する多目的施として再開発されたアル・ボカHalle Bocaの隣に位置しています。全長120m、高さ37mと、記念碑的な巨大な建造物です。ですが、何よりもまず圧倒されるのは、幾何学的な線と独特の量感でしょう。クリーム色のコンクリートで作られた斬新なアーチ型の建物は、見る視点によって絶えず変化します。大胆なワインの総合施設シテ・デュ・ヴァンCité du Vinやユニークな海と海洋の博物館Musée Mer Marine(MMM)に続いて、今回もボルドーは人々をあっと言わせました。

散歩がいつもと違ったものに

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MECAの建築が傑作であるのは、ループ状に機能を配した空間構成となっているためでもあります。このループ状の空間構成は、コンクリートで作られた通路にも続いています。ゆるやかに傾斜したスロープには昼も夜も自由に入ることができるので、散歩をするのにぴったりです。建物の基部にある階段では座って休んだり、アートを鑑賞したり、屋外でのパフォーマンスを楽しんだりすることができます。MECAの巨大な広場からガロンヌ川の河岸に降りれば、ボルドーの中で、都会らしい気持ちのよい散歩をすることができるでしょう。

芸術創造の舞台裏を拝見

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MECAは、ボルドーの文化の新しい中心地として、人々が集まる活気のある場所になるよう構想されました。アーティストや作家、プロデューサー、映画監督、編集者、造形作家、振付家が、この公共施設で出会うのです。一般の人たちも大歓迎で、稽古や試写会、パフォーマンス、上映会、講演会に参加することができます。そして、その特別な出会いの場が、潜望鏡の原理を使って外の風景を屋内に映し出し、内と外を視覚的につなげてい るアゴラAgoraという大ホールです。このホールでは、年間を通して(1ユーロという形ばかりの料金を払えば)現代アートのコレクションや企画展を見ることができます。

展望台から街を見下ろす

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街中にある展望台からボルドーの街を見下ろして、いつもと違った視点から街を見る──MECAではこんなこともできます。6階 のちょうど展覧会スペースの上にあたる位置に850m2の広大なテラスがあり、すばらしい眺望が広がっています。ここでは、デッキチェアに座ってゆったり過ごし、ユネスコ世界遺産に登録された「月の港ボルドー」とその歴史地区 を見晴らすことができます。

クリエイティブにリラックス

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赤い十字型の巨大なテーブルに、最大56人が座ることができるMECAのカフェ・レストランも、建物と同じくオープンで驚きにあふれ、温かみがあってクリエイティブです。カフェの名前はCREM(クレム) 。週6日、朝食からオープンしていて、アート・プログラムに合わせたメニューも提案しています。マルシェの食材を用いた料理には、地元産の 有機栽培による食材を特に選んで使用しています。CREMは定食屋さんとグルメなビストロの中間のようなカフェで、目も味覚も驚かせてくれます。

by パスカル・フィリアトル

旅行ジャーナリスト。未知なるフランスをご紹介します。 filliatre.pascale@orange.fr

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