魚のスープ、ウニ、ブイヤベース、ポッタルガ…プロヴァンス地方の料理には、地中海沿岸でとれた海の幸がふんだん使用されています。グルメ好きな人々のために、料理人は伝統的なレシピにアレンジを加えます。漁から戻る船を迎え、キッチンへと彼らは向かうのです。
太陽による乾燥
地中海の名物である、ボッタルガは塩漬けにし乾燥させた魚の卵巣です。プロヴァンス地方では、ボラの卵を使用します。漁師たちは7月から2月にかけての期間に、ボラ漁をすることが許可されています。マルティグのいくつかの家庭では、先祖代々伝わる技術を今まで受け継いできました。その技術によると、卵を保護している羊膜を破ることなく、かつ「柄」の部分をつけたまま卵巣を取り出すために、慎重に魚を扱うことが求められます。この「柄」は太陽の下で乾燥させる際に、ボッタルガをつるす役目を果たします。
魚のスープ
岩場で釣れる魚をベースに伝統的な方法で丁寧に作られた魚のスープは、プロヴァンス地方にて欠かせない料理です。その味を引き立たせるには、ニンニクとルイユソースで味付けがされたクルトンを使用します。このスープは、丸ごとの魚とジャガイモを使用した、ブイヤベースともよく似ています。
ウニ取り
プロヴァンス地方では、海の幸にちなんだお祭りがいくつかあります。一月と二月に行われる「ウニ取り」の際には、カリー・ル・ルエ、ソセ・レ・パン、そしてフォス・シュル・メールといった港でウニを味わうことができます。夏には、この地方のムール貝を贅沢に使用したカマルグのムクラドという料理がふるまわれます。また、イワシの漁業場で開かれるお祭りの際には、コート・ブルーがグリルされたイワシの香りでいっぱいになるのです。
ブイヤベース
マルセイユの郷土料理、魚をベースでつくるブイヤベースは、マルセイユ出身のシェフたちによって芸術の域に達しました。三ツ星レストランのル・プチ・ニースでは、マルセイユ出身のシェフ、ジェラール・パセダがオリジナルのブイヤベースを提供しています。この一皿はグルメ好きの人々に本当に満足させてくれるはず。生貝とフライにしたレインボウベラに加え、魚と甲殻類をサフランのスープで味付けします。最後には、全体に火を通した魚を3本とカニのスープを加えます
巨大な水槽
ジェラール・パセダは地中海を自身の《家庭菜園》だと言います。地中海から、料理に使う主要な食材を手に入れることができるからです。この地中海という大きな水槽はプロヴァンス地方のレストランのテーブルに、タイ、アンコウ、タラ、オオカミウオ、マトウダイ、イセエビ、イワシ、そしてサバといった主な食材を供給してくれます。漁を終えて戻ってくる船を見たいときは、早朝にマルセイユの旧港や、ラ・シオタ、マルティグ、カリー・ル・ルエ、カシス、サン・マリー・ド・ラ・メールなどへ行ってみましょう。この光景は早起きをして見に行く価値があります。ぜひ、お楽しみください。
更に詳しく ・ル・プチ・ニース公式サイト(フランス語) ・プロヴァンス観光局公式サイト(英語) ・プロヴァンスのグルメについて知る(英語)
by フローランス・ブリュネル
France.fr編集コーディネーター