モンペリエ・コンタンポランMoCoでアートを満喫

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この記事は 0 分で読めます2019年4月5日に公開

2019年6月29日、モンペリエでMoCoオテル・デ・コレクションHôtel des collectionsがオープンします。モンカルム邸l’hôtel Montcalmをリニューアルした、新しいコンテンポラリーアートセンターです。オープン前に、情報をお伝えしましょう。

モンペリエの新しいコンテンポラリーアートセンターとなるモンカルム邸は19世紀の美しい建物で、駅やコメディ広場からほど近いところにあります。2019年6月29日から、ここで世界中のコレクション(個人蔵、公共施設蔵)が展示されます。この建物は、オテル・デ・コレクションと名付けられ、街のふたつの施設であるパナセ Panacée(新進アーティストの作品を展示)と高等美術学校と結びついたMoCoの中心的な存在となります。

コンテンポラリーアートの中心地

他に例のないこの3施設のコラボレーションのなかで、オテル・デ・コレクションは財団、個人、企業、美術館またアーティスト自身から提供された作品の、個展もしくはグループ展を開催するという活動を行います。

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コンテンポラリーアートの中心地として生まれ変わったモンカルム邸は、レピュブリック通りrue de la Républiqueにあり、広大な庭園の奥に街の喧騒から隠れるように建っています。1500㎡の展示スペース、ローカルフード専門のレストラン・バー、そしてシーズンごとに品揃えが変わる書店が併設されています。

建築家のフィリップ・シャンバレッタPhilippe Chambarettaは、建物のシンプルな図形のような外観はそのままに、かつて将校の食堂として使われていた部屋に光の立方体を設置するなど、現代的な雰囲気を加えています。アーティストのベルトラン・ラヴィエBertrand Lavierは、庭園をデザインしました。世界地図を念頭に設計されたこの庭園では、あらゆる大陸の植物が花開くことでしょう。

アートからレストランへ

美術館の1階は、丸天井で赤い柱が立ち並び、床は黒と白の大理石の市松模様という華麗な雰囲気が残っています。いっぽう上階は、白を基調とした飾り気のない内装で、作品を引き立てます。

展覧会以外にも、オテル・デ・コレクションでは、レストラン・バー、庭に面したファサードをアーティストの活動に提供する予定です。オープン前の予告では、レストランにびっくりするようなインスタレーションが設置されるとのことです。2017年ヴェネツィアビエンナーレで発表されたロリス・グレオー・ジ・アンプレイッド・ノート・ファクトリーLoris Gréaus The Unplayed Notes Factoryの作品が展示されます。バーの天井を1200個のフィラメント電球で覆うというもので、かつてのムラーノ島のガラス工場を想起させます。

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オープニングの展覧会にMoCoは実業家石川康晴氏の親しみやすい素晴らしいコレクションを展示します。石川氏は、2011年から収集を始め、約50の現代アート作品(彫刻、映像、インスタレーション、写真)を所有。有名な美術館にも展示されていて、見る人と芸術作品の関係性を重視したコレクションです。河原温、フェリックス・ゴンザレス・トレスFelix Gonzalez Torres、ティノ・シーガルTino Sehgal、ピエール・ユイグPierre Huyghesなど国際的に活躍する20人のアーティスト作品が集められます。監修を行うのは東京都現代美術館の著名なキュレーター長谷川祐子氏です。

MoCoでは、年に約3か月間の展覧会を3つ開催します。石川コレクションのあとは、ロシアの公共コレクションの作品を展示します。オープニングの6月29日に、ぜひ足をお運びください!

by Cabon Charlotte

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