春のフランス旅行で山へ出かけるべき理由7選

気温は暖かく、昼の時間はより長くなり、雪は心地よい…春スキーバンザイ！もしあなたがスキー初心者であれば、春はスキーを始めるのに理想のシーズンです。ゲレンデはスキーヤーが少なく、リフトは待ち時間が短く、フワフワの雪で転倒の衝撃が少ない初心者専用のゲレンデ・・・。スキー常連者にとっては4月、また5月初めまでオープンしているスキー場で、昼間の明るい時間が長いので、ゆっくりとコースをまわったり、例えば南アルプスのオズ・アン・オアザンOz en Oisansや、オルシエールOrcièresの常設コースでのハイキング・スキーといった新しいアクティヴィティに挑戦することもできます。また家族や友人同士で、山小屋で一夜を過ごすこともできますよ。3月8日からは、ヴァノワーズ国立公園Parc National de la Vanoise内のプラリオンPrariondとフォン・デ・フールFond des Foursの2か所の山小屋がそのままオープンを続け、スキーハイカーを受け入れます。

また高地のテラスで日向ぼっこをし、夏を待たずに日焼けをする絶好の時期でもあります。山頂でサクランボのように顔が真っ赤、ですって？　 春は、多くの‘お得なプラン’で冬よりも料金は控えめです。さあ、一目散にお出かけください！

山では、春の自然の目覚めはただの情景にとどまりません。それは再生であり、どんなに気難しい人をも突き動かす感情です。雪解けにつれて力強くなる滝の落ちる音、ゆっくりと暖まる湿った土の匂い、草原を彩る小さな花々‐スノーアネモネ、クロッカス、黄水仙‐の絨毯、マーモットが再び鳴き声を上げ始める山岳高地。

深呼吸をし、この心地よい春の再来を享受しましょう。このようにヴォージュのリゾート地が鮮やかな黄色の装いに覆われる、4月のジェラルメGérardmerの黄水仙祭りをお見逃しなく。またはシーズン最初のハイキングなら、アルプスのペゼ・ヴァランドリPeisey-Vallandryにあるプリ山Mont Pourriの山小屋周辺で渡り鳥の帰還を観察し、あるいはコンブルーComblouxから出発して再び緑色に覆われたバロックの散歩道Sentiers du Baroqueを歩きましょう。またメルカントゥール国立公園Parc national du Mercantour内のブイル・レ・ローヌBeuil-les-Launesでは、パンジー、勿忘草、キンポウゲがラベンダーの香りに先んじて花を開きます。ヴァル・ディゼールVal d'Isèreでは、ヴァノワーズ国立公園のガイドたちが、サン・シャルル橋Pont Saint Charlesの遊歩道に陣取り、春の動物たちをウオーカー達に紹介します。アイベックス（山岳性野生ヤギ）とシャモワ（高山に生息するヤギ）が、双眼鏡のすぐ先に・・・マジックです！

慌ただしい冬が過ぎ、夏を迎えるまで、山は日々の穏やかな時間が流れます。土地の特産物の生産者たちはゆとりをもって皆様を歓迎し、農場やアトリエの見学、テイスティングや作り方の手ほどきしてくれます。何世代にもわたり情熱をもって作られてきた味覚の数々、特にルブロションReblochon、サン・ネクテールSaint-Nectaire、ジェクスGexのブルーといった春の良質なチーズを味わってみたい、ですって？山でのノウハウについてもっと知りたい、ですって？

3月、4月、5月にヴォージュ、アルプス、ピレネーに滞在すると、いつも出会いがあります。グラン・ボルナンGrand Bornandの革細工職人ディディエDidierは、この村最古の山小屋の一軒にアトリエを構え、革細工に情熱を注いでいます。セヴァスチャンSébastienとセヴェリーヌSévérineは、フルーカ農場ferme FloukaでデヴォリュイDévoluyのメリノウールを紡いでいます。またオベルティノObertino一家は、ジュラ山脈のメタビエフMétabiefで青銅の鐘や鈴を鋳造しています。高地での体験に浸ってアール・ド・ヴィーヴルを理解する、そのやりとりを特に楽しくできるのが春なのです。

頂上を眺めながら標高の高い場所にあるスパで1日のんびり過ごす、ヨギスキー・ウイークYogiski Weekの間に南アルプスのヴァルベルグValbergやメニュイ―ルMenuiresの自然の中でヨガをする、露天風呂を初体験する、雪解けが滝となって流れる音を聞きながら心地よい散歩道で五感を呼び覚ます・・・。春の山は飽きることのない癒しの効果があります。明るい時間が長くなり、光が変化し、景色も変わります。マーモットがゆっくり冬眠から目覚めるように、冬の繭から抜け出す時がやってきました。そして楽しく時間を過ごすことができる素敵な場所には事欠きません。フランスで最も高い場所に位置するスパの一つにひとめぼれです。それはヴァル・トランスVal Thorensの5つ星ホテル・アルタピュラHôtel Altapura内のスパ・ピュア・アルティチュードSpa Pure Altitude。ゲレンデのふもとに設置された1000㎡の広さを誇るウエルネスセンターです。春は山々の植物を使用したケア三昧を堪能できますよ！

山では一般に、スキーシーズンが終わるとすぐ、最初のペダルストロークが可能になります・・・。春バンザイ。峠は雪が解け、遊歩道は再び2輪車で通れるようになり、トレッキングや自然の中のランニングもできます。サイクリング、トレッキング、トレイルと好みは人それぞれでしょうが、フランスの山々には経験豊富な、あるいは未来のスポーツ愛好家たちを夢中にさせるものがあります。でも、全員がメリベルとクールシュベルの間に位置するトゥールマレTourmaletやロズ峠Col de la Lozeといったツール・ド・フランスの伝説の峠に挑戦するわけではありませんよね！山岳高地の夏季牧場の小道や、ピレネーのアングルAnglesやオーヴェルニュのリオランLioranといったリゾート地に整備されたバイク・パークBike Parkで、マウンテンバイク・ツアーを楽しむことでも十分です。またジュラやヴォージュ山地の細道を、電動アシスト自転車で巡ることもできます。

もっとアドレナリン全開のスポーツはないか、ですって？チロリアン・ブリッジtyrolienne(二つの岩峰にロープをかけて渡る方法)やパラグライダーに駆り立てられる人もいれば、雪解けを利用したラフティング、カヤック、ハイドロスピード（ボディーボートに乗って水面ギリギリを下るリバースポーツ）といった水上スポーツを体験したい人もいらっしゃるでしょう。またクライミング、ヴィア・フェラータvia ferrata（鎖や鉄はしごがついている岩壁ルート）、ツリークライミングなどに挑戦する良い時期でもあります。スキー・リゾートではフランス・スキー・スクールEcole du Ski Français (ESF)が、春になると様々なアクティヴィティ（路上バイアスロン、パラグライダー、マウンテンバイク・・・）を用意しています。安心してお試しいただけます。

山で春を迎えることは、壮大な環境の中で見逃せない特産品いくつかを味わうのに、もってこいの機会です。タルティフレットtartifletteやクロジフレットcroziflette(クロゼcrozetはアルプスの小さなパスタ)、ラクレットraclette、オーヴェルニュ地方のトリュファードtruffade（炒めた薄切りのジャガイモとベーコンにトムチーズを混ぜ合わせたもの）、サヴォワ地方のフォンデュfondu savoyardeにピレネー地方のガルビュールgarbure（インゲン豆のスープ）などいずれも、山頂を望む壮大な景色を眺めながらテラスで味わえば、もっと食欲をそそりますよ。もうそんなに寒くありませんが、地元産のハムやソーセージの盛り合わせ、周辺の農場のチーズは、いつも味わい深く喜んで試してみたい食材です。天気の良い日が戻ってくるやいなや、美食とパノラマを最高の形で組み合わせたい時には、トロワ・ヴァレーにあるとってもコジーな山岳農場、ペペ・二コラPépé Nicolasへレッツゴー。2か所のテラス席の一つで、地元産の美味しい食材をふんだんに使ったランチとおやつ、そしてディナーを楽しみましょう。山はなんて美しいんでしょう！

モルジンMorzine：フェスティバル・ロック・ザ・ピストFestival Rock The Pistes（3月12～18日） シュペール・ベスSuper-Besse：グリス・アンド・ファンGliss and Fun（3月25～26日） クールシュベルCourchevel : フェスティバル・フォリ・ドゥースFestival Folie Douce（4月8～9日） ヴァル・ディゼールVal d’Isère：アドベンチャー＆ディスカバリー国際映画祭Festival International du Film d’Aventure et Découverte（4月17～20日） ヴァル・トランスVal Thorens：ラ・グランド・デルニエールLa Grande Dernière（5月6～8日）など。 山岳リゾート地のすべてで、冬から春への移り変わりはスポーツ大会、ショー、フェスティバル、コンサート、イベントなどのお祭りモードに包まれます。 4月19日、ペゼ・ヴァランドリPeisey-Vallandryでは、ヴァノワーズ国立公園が共催してプランタン・ド・ロジュエルPrintemps de Rosuelが行われます。またピレネー地方のサン・ラリー・スランSaint-Lary Soulanでは、5月末から6月初めにかけて山岳地帯への牧畜が始まります。さあ、季節交代に向けての準備は大丈夫ですか？