最高の旅とは、寄り道の中にあるのでしょうか?フランスでは、驚くような喜びを満喫するために、時には計画を忘れることを心得るのも大切です。カンヌ映画祭に寄るためにコートダジュールに向いますか?なんてリッチなアイデアでしょう:ちょっと運がよければ、ダイアン・クルーガーやペドロ・アルモドバルとすれ違うかもしれません…。
最後の最後に、幼馴染のアンヌが、映画祭真っ最中のカンヌにいる彼女と合流するように私を誘ってくれました。ゴージャスな熱狂、レッドカーペット、お祭り騒ぎのパーティー…。もしかしたらステージへの階段を上るシーンも?私は一瞬もためらいませんでした。
1日目: 飛行機に乗った途端、目を見開きました。分かりませんよ。一列目にカトリーヌ・ドヌーヴが黒いサングラスに隠れて座っているかもしれません。いいえ。そんなことはありませんでした。でもニース空港で、私は偶然古い友人に出くわし、ニースの郷土料理ソッカとアペリティフに誘われました。彼は私をChez Pipoというニースのレストランに案内してくれました。ごく短時間でできるヒヨコマメをベースとし、ブラックペッパーを効かせたソッカと呼ばれるガレットのような郷土料理を味わいました。とても美味しかったです。
2日目: 遅く目覚めました。友達のアンヌがカンヌ映画祭に来て既に4日が過ぎました。彼女は「ここにはもう疲れ切ってしまったわ」と私に言って、サン=ポール=ド=ヴァンスのマーグ財団美術館での文化的な一日を提案しました。私はこの誘いに乗って、山の中に聳え立つ小さな宝石のようなこの美術館で、近代および現代美術のコレクションを驚きとともの鑑賞しました。ジャコメッティ、ミロ、ブラック、シャガール、ファブリス・イベール。鑑賞するのに非常に忙しかったです。
3日目: どしゃ降りの雨。上出来じゃない。私は奇跡的に予定に入れた「批評家週間(la Semaine de la Critique )」のカクテルパーティーのために、ホテル Martinez(マルティネ)のビーチに行くことを期待していたのに、ああ、残念。グラースに行ってガリマールとフラゴナールで、ガイドツアーに参加して花々やハーブの香りに浸り、もちろん香水のアトリエを見学しました。
4日目: 青空が戻ってきました!ミヒャエル・ハネケ監督の最新作を見るために暗い部屋に自分を閉じ込めに行きたいとは思いませんでした。伝説的なHôtel Eden Roc(ホテルエデンロック)に隣接する野生のままの入り江にあるアンティーブ岬で船に乗りました。ホテルにいるスターたちを見るなら、双眼鏡が必要だったでしょう。その代わりに、私たちは岩の間に巻貝のタマキビガイを見つけるために断崖を見下ろしました。帰途につき、私たちはHôtel Belles Rives(ホテル ベル・リーヴ)で足を止め、フィッツジェラルドの幻と出逢い、正面に地中海を見ながらカクテルを傾けました。
5日目: アンヌは、サント=マルグリット島にあるレストラン La Guérite(ラ・ゲリ)での有名女性たちのランチについて私に話してくれました。うっとりするような景色のようです!ただひとつの問題は、桟橋から午後2時前の船はないということ。ああ、残念!島に着く時間には、セレブたちは全員既にいなくなっていました。アンジェリーナ・ジョリーが反対方向のボートから私に合図を送っていたのが見えなかったのかしら。それでも夢のような環境と、アラカルト、ロブスター、それからニシウミスズキのクルート・ド・セル(塩釜包み)が私たちが食べるためにひっくり返されるのを待っていました。 つまり、コートダジュールでは、いつも映画界の魅力が待ち受けているとは限らないのです。
by Weber Pauline
カルチャー専門のフリーのジャーナリスト @paulineweber_