ロワール渓谷の古城に雪が降る

インスピレーション

ロワール渓谷文化・遺産

ロワール渓谷のシャンボール城
© DroneContrast - ロワール渓谷のシャンボール城

この記事は 0 分で読めます2020年2月9日に公開

ロワール渓谷に数多く点在する古城。普段目にするのは、気候の良い季節に太陽の光があたり、庭園に花が咲き乱れる古城ではないでしょうか。しかし、冬が来てもロワールの古城の魅力が褪せることはありません。周辺の樹木がまるで白いコートのような雪で覆われた時はなおさら。つい雪合戦、王家同士の合戦ごっこを始めたくなってしまうかもしれません。

雪の女王

Marc Jauneaud
© Marc Jauneaud

よく知られているのは、正面から見た姿。ロワール河(シェール河)にまたがるように建てられています。シュノンソー城(Château de Chenonceau)は裏側も非常に美しく、ディアンヌ・ド・ポワティエ庭園やカトリーヌ・ド・メディシス庭園など冬でもその魅力を放っています。

もみの木に囲まれて

Jean-Christophe Coutand
© Jean-Christophe Coutand

雪の降り積もったもみの木に囲まれたシノン城(Forteresse de royale de Chinon)。ロワール渓谷では珍しく、中世に建てられた王家の要塞です。まだ誰も歩いていない新雪を踏みしめて城内に入れば、たちまちこの城の持つ歴史に引き込まれてしまうでしょう。プランタジネット朝のヘンリー2世と息子の獅子心王リーチャド1世、ジャンヌ・ダルクとシャルル8世との出会いなど、多くの人物と逸話を知る絶好の機会です。

Léonard de Serres
© Léonard de Serres

シャンボール城はもう見尽くした、と思っていませんか? しかし、雪景色の城はまだなのでは?年末年始の祝日が過ぎると、雪が塔や煙突に降り積もります。フランソワ1世の時代、シャンボール城は移動する宮廷として使用されていました。その様子を室内装飾家、空間演出家であるジャック・ガルシア(Jacques Garcia)が再現しています。そのあとは、庭園散策を楽しみましょう。

白く雪が積もったキャベツ

Château et jardins de Villandry
© Château et jardins de Villandry

ヴィランドリー城Château de Villandryでは、装飾庭園に愛の庭園、そして水の庭園と一体どこから見たらいいのか分からなくなってしまうほど多くの見どころがあります。冬は、雪をかぶった生垣やトピアリーの中を散策しましょう。霧氷のついたキャベツや霜の降りた菜園もお忘れなく。

足音を忍ばせて

Agnès Berthet
© Agnès Berthet

大空とロワール河を望むアンボワーズ城(Château royal d’Amboise)。ロワール河流域の古城のなかでも、絶景が楽しめる有数のスポットです。中でも、粉雪で白く、神秘の輝きに包まれた庭園からの眺めが一番かもしれません。建物に向かって雪の中をしんしんと行く足音が聞こえてきます。暖かい城内に入ったら、AR(拡張現実)を用いてルネッサンスにおける宮廷生活を3Dで再現したタブレットで、リアルな見学を楽しみましょう。

Loisirs Loire Valley
© Loisirs Loire Valley

ショーモン・シュル・ロワール城domaine national de Chaumont-sur-Loireは素晴らしい庭園がいくつもあり、造園をテーマにしたフェスティバルが開催されることでよく知られています。しかし、この城は冬にも訪れる価値があります。3年前よりショーモン・フォト・シュル・ロワールChaumont-Photo-sur-Loireと称する写真フェスティバルが開催されており、フランス内外の写真かの作品を紹介しています。

暖炉の火の脇で

Léonard de Serres
© Léonard de Serres

果たしてレオナルド・ダビンチは、クロ・リュセ城(Clos Lucé)の雪景色を見る幸運に恵まれたでしょうか。それを教えてくれる資料はありません。しかし、城内の厨房で、料理が煮えている脇でダビンチが石でできた暖炉の火に当たっている様子はたやすく想像できるのです。

雪の中のタンタン

CG
© CG

シュヴェルニー城château de Chevernyを包むミステリアスな輝き。でも、なぜかシュヴェルニー城のことはよく知っている気がする・・・。不思議なことは何もありません。きっとフランスの漫画、「タンタンの冒険旅行」で見たのではないでしょうか。シュヴェルニー城は、漫画の中でムーランサール城として登場しているからです。城内ではタンタンの漫画シリーズの常設展示が行われており、ゲストを漫画の世界へと誘います。

by コンスタンス・ディヴ

france.fr編集長

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