パリの一流レストラン「ル・グラン・ヴェフール(Le Grand Véfour)」のシェフ、ギィ・マルタン氏。レストランの厨房にいないとすれば、アルプス山脈の中の町ブール・サン・モーリスにいるでしょう。彼の生まれ故郷であるオート・タランテーズ渓谷を、幼少期を振り返りつつ案内してもらいました。
レ・シャピウーのヤギ牧場
まずは、通り道にあるアルパンさんのとに立ち寄って、絶品のシェーヴルチーズを味見するのが好きです。とてもフレッシュなものからしっかり熟成されたものまで、その場で試食・購入することができるんですよ。
グラシエ渓谷にある「ジュグラレ」のボーフォールチーズ
幼い頃から、いとこのルネが羊の群れを移動させるのに付き添っていました。2人で何時間も歩いた後、ジュグラレ兄弟の所に立ち寄るのが習慣でした。肉の赤ワイン煮込みと、前の年に作られたボーフォールチーズの大きなスライスを添えたポレンタが、疲れた私たちのご褒美でした。チーズ熟成庫の見学を申し込んで、絶品のチーズを試食してみてください。
セ(Séez) にあるなめし工場「ファーヴル(Favre)」
古くからある家族経営のメゾン。山小屋の椅子のカバーにぴったりの毛皮を購入するのにお勧めの場所です。
ラ・シャルの「メゾン・ド・ラ・ポム」
リンゴ、洋ナシ、アプリコットの古い品種が、愛好家たちによって長年かけて再植林されました。接ぎ木から圧搾まで、シードル製造のすべての工程を知ることができます。
セ(Séez)にある紡績工場「アルパン(Arpin)」
毛布から肩掛けまで、この紡績工場では、ボンヌヴァル・ラシャやアルプス織といったクラシック作品だけでなく、現代的なコレクションとともに、数世代にわたる技術の蓄積を感じさせます。私の父は、この工場で製造された最高級ウールのズボンをいつも使っていました。
by リザ・アゾラン
ジャーナリスト兼編集者