フランスの典型的なデザートをおやつに、ですって?お子さんたちと一緒に、女性フード・ブロガーたちが発信する、おばあちゃんのレシピにインスピレーションを受けたデザートを、いくつかキッチンで試してみてください。パン・ペルデュpain perdu、クラフティーclafoutis、ビューニュbugnes、マドレーヌmadeleinesに続き、リロ・キュイジーヌ・カンパーニュのタルト・タタンをご紹介します。
型にリンゴとカラメルを入れてその上からサブレ生地をのせ、こんがり焼き色がついたら取り出す、この逆さ焼きのタルトは、その由来が面白く、とてもフランス的なデザートです。なぜかというと、タルト・タタンはもともと失敗作だったのですから。19世紀、ロワール渓谷に住む二人の姉妹、ステファニーStéphanieとカロリーヌ・タタンCaroline Tatinは見事、災い転じて福となしたのでした!ゴーフル、マドレーヌやアーモンドクリーム入りガレットとともに、子供から大人まで舌をうならせるリンダのレシピ(と写真)が人気です。
タルト・タタン1個の材料と作り方
- サブレ生地:小麦粉(T65)180g、無塩バター70g、ブラウンシュガー(ショ糖)20g、塩一つまみ、全卵1個
- リンゴの付け合わせ:リンゴ1,6kg(果肉がしまり熱を加えると柔らかくなるもの。ぱさぱさでも固くもない、その中間の品種レネットのようなリンゴ)、無塩バター80g、ブラウンシュガー(ショ糖)120g
サブレ生地の下ごしらえ
- 小麦粉、砂糖、塩にバターを混ぜ手でこすりあわせて、クランブルのように細かい粉状にする。
- 卵を入れ、なるべく手短にかき混ぜる。必要に応じて水を少々加えてこね、丸の形にしたら、リンゴの下準備の間、冷蔵庫にいれておく。
キャラメルの下準備と加熱調理
直径24㎝×高さ5㎝のパイレックスPyrex(耐熱ガラス。カラメルとリンゴの加熱調理をスムーズにするのにおススメ)のスポンジケーキ型に、サイコロ状に切ったバターと砂糖を入れる。型を火にかけ(できれば熱がこもらないようにして)溶かし、しっかりカラメル色になるまでじっくり弱火で煮る(中火でおよそ20分)。火を止める。
リンゴの下準備とオーブンでの調理
- オーブンを180℃に温める。その間、4つにリンゴをカットし、芯と種(これらは、例えばリンゴのジュレを作るのに使用できる)を取り除く。型にリンゴを(丸みのある側を下に)きっちりと詰めて並べる。その上にもう一層、リンゴの列(自分の方に丸みのある側がくるように)を作る。隙間を残りのリンゴ(4つに切ったリンゴをさらに2つに切っても構わない)で詰める。
- 20分オーブンで焼く。焼き時間の終わり頃には、リンゴに火が通りカラメル色に変わり始める。
- オーブンで生地を最後に焼く
- オーブンから型を取り出す。打ち粉した作業台でサブレ生地を直径約26㎝にのばし、リンゴの上にのせる。木べらで型の壁にそって生地の端を押し込み、カラメルと触れるようにする。フォークでタルトに何か所か点々の穴をあけ、25分焼く。
- 火にかけてカラメルを煮詰める
- タルトはもう味わうこともできるものの、カラメルはまだトロトロしすぎている。タルト・タタンを再び火にかけ、常に様子を見守りながら濃厚なカラメルになるよう、20分弱火で焼く。
- 焼きあがったら良く冷ます。お召し上がりのとき、もし冷蔵庫にタルトを入れていたなら、5分ほど火にかければ簡単に型抜きできる。あるいは、生温かい状態のときに型から取り出す。どうぞ召し上がれ!
by Filliâtre Pascale
旅行ジャーナリスト。未知なるフランスをご紹介します。 filliatre.pascale@orange.fr