さまよい歩きたい驚きのフランスの森10選

自然&アウトドア・アクティビティ

Marc / AdobeStock
© Marc / AdobeStock

この記事は 0 分で読めます2020年7月11日に公開, 2024年2月23日に更新

森に行き、新鮮な空気を思いっきり吸いたいときはありませんか?森では、意地悪な狼に遭遇することはないでしょうが、特徴ある木々、光に満ちた空地、広大な散歩道、珍しい樹木種が必ず見つかります。さあ、バスク地方からアルザス、ブルターニュからオーヴェルニュ、アルプスからコルシカ島の森林、平原、山を歩きましょう。フランスの最も驚くべき森のいくつかに出会えますよ。

最も神秘的なイラティの森、バスク地方

Barbara Cerovsek - Adobe Stock
© Barbara Cerovsek - Adobe Stock

長い間、帆船のマストは、この森の広葉樹の大木の幹で作られました。バスク地方の中心イラティの森には、ヨーロッパ最大のブナ林が広がり、感動的かつ幻想的です。神秘的な下草のざわめきは、伝説の物語を語るかのようです。バスクの人々は、イラティに森の領主バサジャウンBasajaunと、バスク地方の神話によく出てくる天使と人間のあいのこ、ラミナたち(Laminak)が住んでいると信じています。

イラティの森Fôret d’Iraty

最も伝説的なブロセリアンドの森、ブルターニュ地方

Axel Fontaine - Adobe Stock
© Axel Fontaine - Adobe Stock

ここには魔法使いマーリンMerlinのお墓と妖精ヴィヴィアンヌVivianeの家があります。バラントンBarentonの泉から湧き出る奇跡の水でリフレッシュし、ヴァル・サン・ルトゥールVal sans Retour(帰らずの谷、の意味)で不誠実な騎士たちの足跡をたどります。アーサー王の冒険の格好の舞台、ブルターニュ地方の伝説の森ブロセリアンドにようこそ。メガリットの巨石が点在し、カシとカイガンマツが植えられたこの森では、深い池の数々とエリカ、ハリエニシダ、エニシダの低木が点在する荒れ地の間をぬって、どう散歩しても魅了されること、まちがいなしです。

ブロセリアンドの森La forêt de Brocéliande

最も古いトロンセの森、オーヴェルニュ地方

Marc - Adobe Stock
© Marc - Adobe Stock

サンティネルSentinelleと命名されたオーヴェルニュ地方、トロンセの森の最古のカシの木は、1580年に植えられたのではないかと言われています!数世紀にわたり生き続けてきたのは、このカシの木だけではありません。周りにある多くの木々も、古くからの葉を高く掲げ、秋には燃え立つように輝きます。この見事なカシの木立は、ヨーロッパで最も美しい一つに数えられています。チャーミングなエリソンHérisson村の近くに広がるこの森の、田園情緒ただようサン・ボネSaint-Bonnet池では、サイクリング観光、ハイキング、水浴びが、オーヴェルニュ地方でのアクティヴなヴァカンスを愛する人々を魅了します。

トロンセの森La forêt de Tronçais

最も静寂なグランド・シャルトルーズの森、アルプス地方

blume33l / Adobe Stock
© blume33l / Adobe Stock

このエメラルド色の森には、標高800~1500メートルにわたりブナとモミの林が広がります。石灰質の険しい崖から穏やかな山岳高地にかけてのアルプスの風景は壮大で、徒歩でしかアクセスできないグランド・シャルトルーズGrande Chartreuse修道院周辺と同じように瞑想したり、静寂のなかで過ごしたい気持ちにさせられます。素晴らしいハイキングにぴったりのこの場所の静けさは、かけがえのない出会いにもうってつけです。この保護された山岳では、鹿、シャモワ(Chamois:高山に生息するヤギに似た哺乳類)、ムフロン(mouflon:野生のヒツジの仲間)が、怖がらずに近づいてくることも珍しくありません。

グランド・シャルトルーズの森La forêt de la Grande Chartreuse

最も堂々たるフォンテーヌブローの森、パリ近郊

 Francisco Javier Gil / Adobe Stock
© Francisco Javier Gil / Adobe Stock

無秩序に並ぶ岩、砂岩の小山、陰になった峡谷が、クライミング愛好家を魅了します。パリの南東70キロにあるフォンテーヌブローの森は、その独特の地形で街と王宮を取り囲み、マツとカシが生息する宝庫で、大人にとっても子供にとっても素晴らしい遊び場です。150キロの整備された遊歩道からは、オーギュスト・ルノワールが愛したバルビゾン派の画家たちのお散歩コースを含め、高林が見下ろす神秘的な湿原とコケに覆われた荒れ地の壮大なパノラマを楽しめます。

フォンテーヌブローの森La forêt de Fontainebleau

最も歴史的なコンピエーニュの森、オー・ド・フランス地方

Un monde à vélo
© Un monde à vélo

聖王ルイの統治下、聖ジャンのカシの木が植えられたこの森は、歴代フランス王お気に入りの狩猟地でした。また1918年11月11日には、この森のルトンドRethondeの空地で、第一次世界大戦の休戦協定が結ばれました。パリから1時間弱、オー・ド・フランス地方にあるコンピエーニュの森は、フランス最古の樹木の何本かを有し、数々の歴史の舞台となってきました。その見事な小路は、ハイカー、乗馬をする人々、サイクリストに人気です。

コンピエーニュの森La forêt de Compiègne

最も自然なアグノーの森、アルザス地方

Zvardon / Office de Tourisme du Pays de Haguenau
© Zvardon / Office de Tourisme du Pays de Haguenau

フランスで唯一、カシやブナと並んで、ヨーロッパアカマツが平原に自然に生育するこの森は、2020年2月に認定されたラベルどおり‘比類なき森’です。ヴォージュ山脈とライン渓谷の間にあるアグノーの森は、アルザス地方最大の森でもあり、900年の古い歴史があります。沼地が点在し、5つの水路が流れ、ビーバー、オオヤマネコ、クシイモリといったフレンドリーで小さな住人を守っています。この森とセットで、アルザスワイン街道沿いにあり巨大なベイマツが見事なリボーヴィレの森もおススメです。

アグノーの森La forêt de Haguenau

最南端のヴィッザヴォナの森、コルシカ島

Willem / Adobe Stock
© Willem / Adobe Stock

透明な水をたたえた池で水浴びをしたり、心地よい響きの滝のふもとで涼をとったり、ラリシオマツ(コルシカ島の植生の象徴で、クロマツの一種)の大木の陰でお昼寝をしたり、してみたくありませんか?ハイキング、木の枝を使ってのクライミング、急流下り、あるいは何もせずに過ごす。ヴィッザヴォナの森は、麗しの島コルシカの宝の一つです。標高1163メートルの高い峠からのパノラマは、目がくらみます。バスチアとアジャクシオを結び、ヴィッザヴォナ村に停車する観光列車、トリニチェルTrinichelluでの旅は、絶対に外せない経験ですよ!

ヴィッザヴォナの森La forêt de Vizzavona

最も牧歌的なシャンボール城の庭園、ロワール渓谷

dario guerci/EyeEm / Adobe Stock
© dario guerci/EyeEm / Adobe Stock

ああ、なんて美しいお城でしょう!フランスの歴代国王に深く愛された、ロワール渓谷で最も威厳のあるお城の一つです。塔が乱立するシャンボール城は、まさにおとぎ話の舞台となる宮殿です。そして壮大な庭園、秋には鹿たちの鳴き声が聞こえる魅力あふれる森は言わずもがな、ですね。ここはパリ市内とほぼ同じ広さでユネスコ世界遺産登録を受け、囲われた庭園としてはヨーロッパ最大です。32キロの壁に囲まれた5440ヘクタールの敷地にカシ、マツ、荒野と沼地が広がります。徒歩、乗馬、自転車、馬車、四輪駆動車で、森の番人をおともに、いつも特上の発見をお約束します!

シャンボール城の庭園Le parc de Chambord

最も広大なランドの森

Pictures news / Adobe Stock
© Pictures news / Adobe Stock

ボルドーからほど近い、アルカッション流域のピラ砂丘の頂上に頑張って登った人たちには、この素晴らしいご褒美が待っています。片側は、青い大西洋にアルガンArguinの土砂の小島が点在します。もう片側は広大な緑に、見渡す限り何千本ものマツの木が、そのてっぺんをはるか彼方まで揺らす光景。フランス本土で最大の面積を誇るガスコーニュ地方ランドの森は、19世紀に全面的に植林された人工の森です。砂の小道とシダのじゅうたんを歩くハイカーにとって、嗅覚のパラダイスとなっています。

by パスカル・フィリアトル

旅行ジャーナリスト。未知なるフランスをご紹介します。 filliatre.pascale@orange.fr