タヒチとその島々でサステナブル・ツーリズム を満喫

タヒチ - 仏領ポリネシア自然&アウトドア・アクティビティ文化・遺産

フランス領ポリネシアのタヒチとその島々は、魅力に満ちています。
© Jim Winter - フランス領ポリネシアのタヒチとその島々は、魅力に満ちています。

この記事は 0 分で読めます2022年5月10日に公開

幾重ものブルーのグラデーション、モツ(小島)や砂州が点在するラグーン、海面に顔を覗かせた環礁、緑深い樹海にそびえ立った火山……。フランス領ポリネシアは世界屈指の壮大な景観を有しています。タヒチ島を含む5つの群島と118の島々からなるこのエデンの園でティアレの花の香りに酔いしれつつ、島の自然環境や生活をありのままに楽しむサステナブルな旅 のアクティビティをご紹介します。

伝統的なピローグでラグーンを巡る

OT Tahiti
© OT Tahiti

タヒチの島々には、ピローグ(帆掛け船)がとてもよく似合います。ポリネシアの人々は、何世紀にもわたって太平洋の海原に大海原にピローグを浮かべてきました。マオリ語で「ヴァア」と呼ばれるピローグは、2本の木のアームで船体とつながったアウトリガー(舷外浮材)によって安定を保っています。この世のものとは思えないブルーのグラデーションに彩られた静かなラグーンをピローグに乗って安全に巡りましょう。モツ(小島)の岬でエキゾチックなムードのピクニックと水浴を存分にお楽しみください。ポストカードのような風景のなかに融け込むひとときは、ポリネシアのあらゆる物に宿る聖なる力「マナ」の息吹に触れ、その慈悲深いエネルギーに包まれるようです。

ファカラヴァの美しい海でダイビング

Jim Winter
© Jim Winter

ダイビング愛好家たちが憧れるファカラヴァ。その楽園を思わせるラグーンは、ユネスコの世界遺産に登録されています。さらさらの白い砂が織りなす幾つもの砂洲が環礁を覆い、夢のような青い大海原で輪舞を踊っています。 水のなかでは幾千もの色とりどりの魚が、荘厳な珊瑚礁の間を縫ってすいすいと泳いでいます。水路のすぐ近くを潜れば、視界に飛び込んでくるのは数百匹のサメたち。ファカラヴァはマオリ語で「美しい」という意味を持ちます。この唯一無二の景色を誇る海底を表わすのに、これほどふさわしい言葉があるでしょうか。 海よりも陸でファカラヴァを楽しみたい? それならば、どうぞのどかな小村の景色をお楽しみください。ブーゲンビリアの並木道、鮮やかなサンゴの教会……ここは楽園です。

タヒチアン気分でタウポの波を乗りこなそう

Steve Dickinson
© Steve Dickinson

タウポでサーフィンにチャレンジしてみませんか。サーフィンはタヒチとその島々の伝統の一部をなしています。ポリネシアに暮らす人々は、皆子どもの頃からサーフィンを習います。そんな彼らと同じくらいうまく波に乗れなくてもご心配なく。タヒチでは、どこでも誰でも気軽にサーフィンを楽しむことができるのです。 初心者から愛好家や上級者まで、あらゆるレベルにふさわしいサーフ・スポットがあります。とりわけベテランのサーファーに人気のタウポは、伝説的な波に出合える場所。タウポのうねるような大波は、海面から空に向かって4m以上のチューブを描いて砕けます。より控えめなチューブからサーフィンに挑戦してみたいならば、パペノ湾の穏やかなビーチがおすすめです。

マニヒの真珠養殖場を見学

OT Tahiti
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美しい指輪やイヤリングに加工されるポリネシアの黒真珠は、どのようにして生まれるのでしょう。世界有数の真珠貝の養殖地であるツアモツ諸島のマニヒ環礁ではその秘密を目の当たりにすることができます。マヒニの澄み切ったラグーンにポリネシア初の真珠養殖場が誕生したのは1965年のこと。そのうちのいくつかは今も現存し、見学をすることができます。美の息吹を宿す大海原で育まれる乳白色の宝石、真珠の秘密を明らかにしようと、日々、多くの人々がマニヒを訪れているのです。

ヴィーナス岬で歴史に触れる時間旅行

黒砂が覆うビーチの正体は、溶岩が長い年月を経て微細に砕け堆石したもの 。起伏豊かな地形を有するタヒチが火山島であることをご存じなければ、びっくりされるかもしれません。ヴィーナス岬はタヒチ島の最北端に位置し、エメラルド色の水をたたえたマタバイ湾を一望することができます。岬のエキゾチックな風景にひときわ映えるのは、150年前、南太平洋で最初に建てられた灯台です。タヒチの首都パペーテから数キロのところに位置するヴィーナス岬には、かのバウンティ号をはじめとする多くの船が停泊しました。タヒチの発見者であるキャプテン・クックが、1769年のある日、太陽の前を通過する金星(ヴィーナスの星)を観測したのはこの場所です。

ファラウラ渓谷で滝から滝へと巡るハイキング

damedias/Adobe Stock
© damedias/Adobe Stock

ラグーンの海水浴で夢のようなひとときを楽しんだあとは、どうぞタヒチの山々にもおでかけください。樹海のハイキングは、フランス領ポリネシア最大の島であるタヒチを訪れたならばぜひ押さえておきたいアクティビティのひとつです。オロヘナ山(2,241m)やアオライ山(2,066m)の雄大な峰、山頂に王冠を戴いたようなディアデム山(1,321m)の端正な稜線が、緑豊かな深い渓谷を高みから見下ろしています。なかでもとりわけ美しい景色を満喫できるのは、ファラウラ渓谷のハイキングルートです。山道を滝から滝へ、天然のプールを思わせる池から満々と澄んだ水を湛えた池へと歩き、落差180mの眩暈がしそうな迫力の滝を目指します。ウォーキング、キャニオニング、ビバーク……タヒチとその島々では、そのいずれも存分にお楽しみいただけます。

タヒチの魚料理を楽しむ

Stéphane Mailion
© Stéphane Mailion

ポリネシアに暮らす人々にとって漁はとても身近なもの。手で、小さな網で、銛で、船で……さまざまな方法で日常的に、そしてじつに楽しそうに魚を獲っています。タヒチとその島々では魚が主食であり、皆の大好物なのです。生の魚にレモンとココナッツミルクをかけた一皿は、国民食ともいえる料理。タヒチの島々のあちらこちらで見かけるキッチンカーでは、それ以外にもさまざまな魚料理を味わうことができます。マグロの切り身を海水とエビの頭をすり潰したスープに漬け込んだ「ファーフル」はおすすめの一品です。

大自然のファレに泊まる

タヒチとその島々には、ありきたりでない素敵なホテルがたくさんあります。たとえばそのひとつが水上バンガロー。高床式のバンガローに泊まれば、ターコイズブルーのラグーンの上を浮遊している気分を味わえることでしょう。旅先では、あれもしたいこれもしたいと欲張りになって当たり前。よりタヒチアンの暮らしを身近に体験したい、地元の人たちと触れ合いたい、日常生活や伝統をリアルに知りたい……そんな望みが叶う宿泊施設をお探しならば、家族経営の小さなゲストハウスがおすすめです。ポリネシアの伝統的な家屋である「ファレ」を利用したアットホームなゲストハウスは、ホストと絆が深まる滞在を約束してくれます。ホストと一緒に食事を摂り、タヒチの大自然のエクスカーションを楽しんだりラグーンに繰り出したりと、さまざまなアクティビティが用意されています。

カーボン・オフセットする旅

最果ての楽園、タヒチへの旅に飛行機は欠かせないもの。航空会社による積極的な環境への取り組みは歓迎すべきものといえます。このほどエールフランス航空とエア・タヒチ・ヌイは、カーボン・オフセットを自主的に開始しました。乗客が旅行中に排出する二酸化炭素量を計算し、その量に見合う温室効果ガスの削減活動に支援することを通して環境に還元するプロジェクトです。エア・タヒチ・ヌイは 、2021年6月以降、カーボンクリックとプラットフォームパートナーシップを結んでおり、ニュージーランドの原生林の再生やスコットランドの原生林の生態系創出といった、地球環境にポジティブ・インパクトをもたらす活動に乗客が支援できるようになりました。

エールフランス航空の環境対策:Welcome to Air France Act | Air France Act(英語)

by Filliâtre Pascale

旅行ジャーナリスト。未知なるフランスをご紹介します。 filliatre.pascale@orange.fr

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