「セーヌ川の水面の下に」は、フランスのNetflixで2024年夏に大きな話題を集めた映画です。スポーツ競技の真最中、パリをサメが襲うというフィクション映画で、プラットフォームの再生回数1億回を突破し、フランス作品の最高記録となりました。そこで、最も見逃すことのできない、または最も知られていない場所のいくつかを発見し、パリのシンボルであるこの神秘的なセーヌ川に沿って、皆様を散策にお連れいたしましょう。
午前10時:セガン島Seguinとサン・ジェルマン島Saint-Germain
Île Seguin, Boulogne-Billancourt, France- セーヌ川沿いの散策は、パリではなく、ブーローニュ・ビアンクールBoulogne-Billancourtの地下鉄ポン・ド・セーヴルPont de Sèvres駅からスタートします。そこからはセガン島の金属でできた丸い、奇妙な建物が目に入ることでしょう。これはルノーの工場跡地に建てられた、ラ・セーヌ・ミュージカルLa Seine Musicaleとよばれるコンサートホールで、ビヨークBjork、ザ・キラーズThe Killers、ウッドキットWoodkid、さらにはボブ・デイランBob Dylanといった国際的アーティストが公演を行っています。またフランス文化のポップの金字塔とも言える伝説のコメディーミュージカル、スターマニアStarmaniaも上演されています。パリにお越しの際は是非、ラ・セーヌ・ミュージカルの演目をご覧ください。
- 河岸に沿って少し進んだ後は、もう一つの島、サン・ジェルマン島に戻ります。かつては農地だったこの島では、1988年にジャン・ドュビュッフェJean Dubuffetが制作した巨大な「フィギュアの塔Tour au figures」と様々な公園、そして特に多くの平底船が係留されている「小さな腕」(セーヌ川の分流)をお見逃しなく。うっとりとさせる美しさを持つ牧歌的な環境が魅力です。
午前11時:自由の女神、エッフェル塔
Statue de la Liberté, Pont de Grenelle, Paris, France- 次の訪問先へは二つの行き方があります。一つはセーヌ川沿いに沿って歩き、アンドレ・シトロエンAndré Citroën公園に立ち寄ってから行くこと。もう一つはイッシー・ヴァル・ド・セーヌIssy-Val de Seine駅から高速郊外鉄道RERのC線に乗りジャヴェルJavel駅で下車することです。ここからセーヌ川の良く知られた1区間が始まります。パリ市内のセーヌ川にかかる37の橋の一つ、グルネルGrenelle橋を渡ると自由の女神が目に入ります。これは白鳥の島’île aux Cygnesの最南端に設置された、高さ9mのレプリカです。ちなみに、パリには他に5体の自由の女神像があり、そのうち工芸博物館にある石膏のオリジナル作品は必見です。
- 白鳥の散歩道を進む途中、国営ラジオ放送の中枢センターであるラジオ・音楽館Maison de la Radio et de la Musiqueに視線を向けるのをお忘れなく。ビル・アケムBir Hakeim橋まで来たら、左岸に降りてオーストラリア散歩道Promenade d’Australieを渡りましょう。そこからはセーヌ川の美しい眺めだけでなく、木々の上に空に向かってそびえたつエッフェル塔も眺めることができます。最後にローマ騎兵像と川の対岸のトロカデロを見たら、イエナ橋を渡りましょう。少しずつ、パリの歴史的中心部が遠くに見えてきます。
午後12時30分:パリの最も美しい橋たち
Pont des Arts, Pont des Arts, Paris, France- エッフェル塔を別の角度から眺めることのできる見事なドゥビリ歩道橋Passerelle Debillyを過ぎ、セーヌ川沿いの散歩を続けていくとアルマ橋に到着します。増水の指標として使用される有名なズワーヴ兵(Zouave :19世紀半ばに構成されたフランス軍アルジェリア歩兵隊)像に加えて、フランスとアメリカの友好を象徴するもう一つのモニュメント「自由の炎」にもお気づきになることでしょう。まさにこここそが、1997年に事故で命を落としたダイアナ妃の追悼集会の場所でした。
- エリヴァンErivan庭園を通り過ぎたら躊躇することなく、この地区の様々な橋を渡ってみてください。例えばアンヴァリッド橋を渡りフルクチュアール都市芸術センターcentre d’art urbain Fluctuartに寄り道したり、アレクサンドル3世橋を渡り伝説的なカフェ、ロザ・ボヌールRosa Bonheurで一息ついてもいいでしょう。コンコルド橋を過ぎた後のおススメはただひとつ、チュイルリー公園で時間をとって散策し、ルーヴル美術館の写真を撮り、フランソワ・ミッテラン河岸Quai François Mitterrandに戻り散策を続け、カルーゼルCarrousel橋を渡り、ヴォルテール河岸quai Voltaire 13番地に立ち寄ることです。そこにあるのはパリで一番狭い建物で、幅はたった2,5mしかありません!もしゲンズブールの音楽がお好きであれば、ごく最近一般公開となったメゾン・ゲンズブールMaison Gainsbourgがすぐそば、ヴェルヌイユVerneuil通りにありますよ。
数メートル先の芸術橋Pont des Artsで写真を撮り、さあ、パリの歴史中心地区に到着です。
午後3時:パリの歴史中心地区
Île de la Cité, Paris, France- パリに多数あるブラッスリーの一つで休息・ランチの後は、シテ島をお見逃しなく。シダレヤナギ、サント・シャペル教会、そしてもちろん再建工事が順調に進行中のノートルダム大聖堂が見どころです。この大聖堂前広場ではまた、驚くべき象徴的な要素が見つけられます。それはフランス道路交通のゼロポイント地点、すなわち首都からの距離が、この地点から計測されます。また地下の遺跡は大聖堂広場から簡単にアクセスでき、島の歴史と何世紀にもわたる変革のワクワクするような光景を目の当たりにできるでしょう。
- 以上の絶対に外せない見学場所の他にも、シテ島には十分に興味を惹かれるスポットがいくつかあります。錬鉄製のパビリオンと歴史的建造物指定の2つのワラスWallace噴水があるエリザベス2世女王の花市場、コンシエルジュリーConciergerieと時計台は少し遠回りする価値があります。フランス革命のさなかにマリー・アントワネットが拘留され、死刑を宣告されたのはまさしくこの場所です。
- 次はサン・ルイ島に向かい、ベルティヨンBerthillonのアイスクリームを味わいましょう。そしてマリー・キュリーの邸宅に向かうか、もしくはバリ小公園square Baryeで一休みします。その後シュリーSully橋を再び渡り、セーヌ川沿いの散策は最終章にさしかかります。
午後4時30分:植物園からフランソワ・ミッテラン図書館まで
Bibliothèque François-Mitterrand, Quai François Mauriac, Paris, France- もしお時間が許せば、1年を通じて数々の展覧会や文化イベントが行われているアラブ世界研究所Institut du Monde Arabeにお立ち寄りください。さもなくばサン・ベルナール河岸Quai Saint-Bernardに沿って歩き、植物園Jardin des Plantesに入りましょう。メナジュリーMénagerie(動物園)、グランド・セールGrandes Serres(大温室)、自然史博物館の他には、植物学校l'École de Botaniqueの庭園の中にある地下道からアクセス可能なアルプス庭園Jardin Alpinもおススメです。山の植物と岩を魅力的に再現した、まさしく楽園のような一角です。
- セーヌ川沿いの散策に戻る前に、パリの大モスクGrande Mosquéeでのティータイムを忘れないでくださいね。そしてシテ・ド・ラ・モード・エ・ドュ・デザインCité de la Mode et du Design(モードの総合施設)の方向に向かうと、今日1日の終点、シモーヌ・ド・ボーヴォワール歩道橋Passerelle Simone de Beauvoirにたどり着きます。そこからは、フランソワ・ミッテラン図書館の壮大な複数の塔が眺められます。もしお望みなら、クール・サンテミリオンCour Saint-Emilion(サンテミリオンの中庭)のとても落ち着いた庭や噴水を訪れてください。川の流れに沿ってパリを探索したこの1日を締めくくるのに理想の場所ですよ。
- セーヌ川沿いのこの散策について最後にアドバイスを。セーヌ川とそこに生息する野生動物に目を向けてください。なぜならNetflix映画「セーヌ川の水面の下に」のような恐ろしいサメはいないにしても、水面にナマズを、また大小のカモメなどの海鳥や野生のアヒルを見つけることができるかもしれません。素敵な出会いがありそうですよ!
ひとことアドバイス
1日かけてセーヌ川をさかのぼるこのコースは、長く感じられるかもしれません。河岸は歩行者用に整備されていますが、必要に応じてためらうことなく公共交通機関をご利用ください。パリ南西部ではRER高速郊外鉄道C線、中心部では地下鉄1号線をご利用になると、このコースの一部で所要時間が短縮できます。パリのレンタサイクル、ヴェリブVélib’もまた、多くの自転車道が整備されているのでとても便利です。
by Netflix France.fr en collaboration avec
France.fr et Netflix France proposent une série de contenus sur les traces des héros des créations de la plate-forme de streaming.